対話劇:らんげいじ(仮題)

2022.01~ 戯曲:本間盛行、才木典秦

さかいをこえる

匂いがします。埃の匂い。乾いた空気にカビの粒子が舞う匂い。この匂いに鼻が慣れて、この乾いた空気に肌が慣れたころ、私はここのコトバを知るのでしょうか。鼻が慣れて匂いが消えていく。その境目をかぎ分けることが私にはできるでしょうか?

歴史「を」学ぶ

S 歴史てね。僕らのためにあるわけじゃないですよね。
 僕らが正しくあるために歴史があるわけじゃないですよね。
H はあ
S 僕らが正しく生きるために織田信長やら源義経が生きたわけやないですよね。
H そら、べつにあんたのために織田信長がおったわけやないですけど
S ぼくのためにジンカスカンがおったわけでも、あんたのためにロベスピエールがおったわけでもない。
H そんなことは言わんでもわかります