戯曲の欠片

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(no title)

ぼくの右手はぼくが覚醒するたびにぼくにかえってきた。
右手は焼かれた野原や涼しい水底を旅してくるのだという。
それはぼくには過ぎた旅程だ。


2021/10/1
寝起きで、ツイッターで友人とやりとりしてできた断片。寝起きの身体=仮人間=廃人という連想から、吉本隆明「廃人の歌」-ぼくが真実を口にすると ほとんど全世界を凍らせるだろうという妄想によって ぼくは廃人であるそうだ-をリプライ。すると友人から 「踊る仮人間」 というお題のリクエストがあり、吉本隆明をなぞりながら作成。長ゼリのアクセントや、冒頭部分にどうぞ

 (2021/7/13 公開)

A 結局さ、鏡みたいなもんなんじゃないの。 

B え? 

A 人と人はね、皆鏡合わせに立っててね。それは手鏡みたいなサイズだったり姿見みたいに大きかったりするけど、ときどき、まっすぐ相手と自分が鏡あわせになって、 

B どっちが自分でどっちが相手だかわからなくなる。

(解説)
コードネーム「バス」から終幕近くのやりとり。より物語に即した、小さな主語の内容に書き換えたため、元の断片を公開。わりと汎用性あるのではないかと思います。会話の曲がり角に、よろしければお使いください。